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日建×未来インタビュー

エンジニアのキャリアの充実は
地球規模の課題解決にも
つながっている

日研社員対談
高野由仁さん×濱村真伍さん

日研トータルソーシングのエンジニアとしてEVやハイブリッド車の開発に携わる高野さんと、エンジニア事業部の担当営業としてそれを支える濱村さん。持続可能な社会実現にもつながるお仕事に向き合うお二人の対談を通して、サステイナブルな社会における日研の歩みについて考えます。

自動車産業の大変革が、すでに始まっている

濱村 高野さんは、電気自動車(以下、EV)開発の中枢である、バッテリーの積載に関わるお仕事を担うエンジニアですね。高野さんから見て、現在の自動車産業はどのような状況にあると思いますか?

高野 まさに、産業構造全体の大転換の最中にあると思います。地球レベルの共通課題である「持続可能な社会実現」への道筋を考えたとき、自動車のEV化は間違いなく進んでいきます。国際的な目標をもとに、各国で具体的なEV化推奨施策が始まり、ここ数年で急激に進展している印象です。自動車メーカー各社も毎年のEV生産目標を発表しており、実現に向けて全社で取り組んでいるところです。

濱村 求められる人材や技術にも変化があるのでしょうか?

高野 ありますね。私が勤める自動車メーカー(以下、A社)でも、需要の急拡大に対応するため、電池関連の部署があらゆるところから人を集めて対応しています。電池の調達量も劇的に増えていて、これまでの取引先だけでは対応できず、新規の取引先を開拓中です。サプライチェーン全体で、求められる技術や人材の変化が起きているということですよね。

濱村 法律やルールの面での変化も激しいと聞きます。

高野 EVの核であるバッテリーは、扱い方を間違えれば事故につながる可能性もある装置であり、何かトラブルが起きればすぐに規制が強化されます。一方、自動車メーカーでは向こう十数年の新車販売計画が決まっていて、各国で年々変わる法規制の変化に対応しながらも、スケジュール通りに開発を進めていくため、開発の現場では他チームとも助け合いながら日々開発を進めています。
時にはなかなか突破できないような難しい課題にもぶつかりますが、私自身はそうやって大変な思いをしているときの方が燃えるタイプ。簡単ではないからこそ、今の仕事は面白いと感じます。

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ニーズの変化に対応し、エンジニアのキャリアアップも叶えていく

濱村 当社でも、そんな自動車産業の需要変化に伴い、2018年から高野さんのチームへの派遣人数の拡大、さらに請負チームの立ち上げも行いました。実は、私と高野さんは同じ先輩に日研に誘っていただいた縁もあり、10年来の友人。請負チーム立ち上げを考え始めたのは、確か飲みの席で将来について話している時でしたね。

高野 そうでしたね。はじめは私一人で始まった職場でしたが、瞬く間に仕事の量が増え、その頃には自分一人では担いきれない量になっていました。また、自分自身の将来を考えた時、ゆくゆくは部下や後輩を育てて自分の仕事のスケールアップもしていきたいと考えていました。そんなことを濱村さんと話す中で、請負チームの立ち上げに挑戦することを決めたんです。

濱村 当社には現在約5000名の技術系スタッフが所属していて、全国さまざまな現場で活躍しています。当社としては今後このような技術系の派遣をさらに拡大していくと同時に、現場の指揮からお任せいただける請負の取引も積極的に行なっていきたいと考えています。需要が急拡大する電池分野で、プレイヤーとして企業側からの信頼も厚い高野さんがいれば、きっとできると思いました。案の定、A社からは「高野さんが見てくれるなら」ととてもスムーズに話が進みましたね。

高野 その分プレッシャーも大きかったですけどね(笑)。

濱村 請負チームの立ち上げは、高野さんにとってマネジメント業務への挑戦でもあったかと思います。その点についてはいかがでしたか?

高野 正直、慣れるまではすごく大変でした。配属されるスタッフのほとんどが、エンジニア未経験で理系出身でもありません。人によって性格の違いやものづくりへの理解度にも差があるので、指示の出し方も工夫が必要です。A社からの信頼を裏切りたくなかったし、未経験でエンジニアに挑戦してきているスタッフの人生もあります。「やるしかない」と必死で取り組んできました。

濱村 未経験の方への指導で、特に意識していることはありますか?

高野 「根本のところを伝える」ことをいつも意識しています。若い皆さんは、設計ツールの操作についてはゲーム感覚ですぐに習得できますし、「この形に」という指示さえあればその通りに設計することも可能です。でも、「どうしてこの形にするのか」というところを理解して動けるようにならないと、ミスにつながりますし、仕事のスケールアップにもつながりません。彼らの今後を考えても、ものづくりの原理・原則の部分を伝えることが大事だと思うんですよね。

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小さな努力を積み重ねていけば、やがて大きな飛躍を果たせる

濱村 高野さんは、プレイヤー、そしてマネジャーとして大きな成果を残されていますが、改めて仕事の中で大切にされていることを挙げるとすればなんでしょうか?

高野 エンジニアの仕事は小さなミスが大きな事故や失敗にもつながっていく可能性があるもの。だからこそ、小さなことを面倒くさがらず積み重ねていくことを大切にしています。
きっと、キャリアも一緒です。地道に、コツコツ取り組み続ければ、大きな飛躍にもつながっていくはずです。

濱村 高野さんをはじめ、そうしたエンジニアの皆さんの日々の積み重ねが産業を支え、やがて地球規模の課題も解決していくのかもしれない。今日お話を聞きながらそう感じました。
皆さんを支えるために、当社としては「未経験からエンジニアへ」の挑戦を支援するとともに、今後は高野さんがご経験されたような「プレイヤーからマネジャーへ」の挑戦を支える仕組みも作っていきたい。すでに教育スキームを持っている当社だからこそできる、サポートだと思うんです。

高野 いいですね。私も、今自分のもとで働いているスタッフの皆さんは、将来はマネジメントに携われるように育っていってほしいと思いながら関わっています。そうやって請負の職場で育った人が違う職場で請負チームを立ち上げ、また人を育て……という循環が生まれれば素晴らしい。人材育成は時間単位ではなく成果で契約いただく請負だからこそできる部分でもあり、請負プロジェクトの拡大とマネジメント人材の育成は、両輪で回っていくものなのかもしれません。

濱村 今後も当社は、自動車業界のように変化していく産業はもちろん、さまざまな業界や職場にエンジニアを派遣していきます。その中で、より技術が求められる請負のプロジェクトも積極的に拡大し、エンジニア一人一人のキャリアの充実も図っていきたいと思っています。そのためには、高野さんのような人材が不可欠。今後もともに、歩み続けたいと思います。本日はどうも、ありがとうございました。

高野 ありがとうございました!

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高野 由仁さん

日研トータルソーシング株式会社 エンジニア事業部 宇都宮オフィス(A社で就業)
自動車関連部品を製造するメーカーでエンジニアとしての経験を積んだ後、2012年日研トータルソーシングに入社。現在の職場である自動車メーカーA社に派遣され、EV開発に携わる。2018年より、請負チーム立ち上げに伴いリーダーへ。現在A社で働く日研トータルソーシングのメンバーは15名まで増加し、自身の業務に加え、そのマネジメントにあたっている。

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濱村 真伍さん

日研トータルソーシング株式会社 エンジニア事業部 宇都宮オフィス 所長
システム関連会社勤務後、2011年日研トータルソーシング入社。北関東エリアの営業職として勤務にあたり、2016年より宇都宮オフィス所長。エンジニアの派遣先企業との交渉や調整のほか、宇都宮オフィスでのマネジメントにあたる。

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