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※当インタビューは公開当初の内容です。

主な研修施設:埼玉テクノセンター

復旧作業の短時間化を実現。新卒採用により、組織全体も活性化

復旧作業の短時間化を実現。新卒採用により、組織全体も活性化

今回ご紹介するのは、半導体メーカー、ルネサス エレクトロニクスの前工程製造拠点である “ルネサス 那珂工場様”(茨城県)での人材採用・研修導入事例です。
日研トータルソーシング株式会社とは長年にわたってお取引を行っていましたが、専門知識を有する保全人員が必要に。そんな課題を解決するために工夫した点や、採用後に感じた変化、新卒採用による影響、今後期待していることなどについて詳しくお話を伺ってきました。

研修内容

ルネサス那珂工場様が必要としていた“機械要素”“電気系”“モラル・マナー”に関する研修を実施。即戦力として活躍できるように、半導体業界で使われる専門用語やルールの指導から始まり、実務やコミュニケーションスキルに関する研修も行った。研修は、半導体研修を専門的に行っているテクノセンターで実施。スキル習得のため、実際に使われている半導体製造装置を使った研修も行った。

課題・背景
那珂工場の組織体制見直しにより、約7年前に生産装置の保全員の増強計画がスタート。最初は自社の優秀なオペレーターを保全人員に移動させていたが、スキル面で改善の余地があり、人材不足状態に。半導体製造装置に関する知識や専門用語を学んでいる、即戦力となる人材が不足していた。
効果
研修にて専門用語やメンテナンスに関する知識を習得した派遣スタッフが参加することで、業務上の会話が問題なく成立するように。生産安定化や装置復旧の短時間化といった実務的な面だけでなく、2024年からは新卒の派遣スタッフを採用することで組織全体が活性化した。

この記事のポイント

  1. POINT01

    装置復旧業務に大きく貢献。一定の専門知識を有する派遣スタッフのサポートで、復旧作業の短時間化を実現。

  2. POINT02

    2024年より新卒メンバーが加入し、組織としても活性化。既存スタッフが自身を振り返るキッカケにもなった。

  3. POINT03

    テクノセンターでの研修効果を発揮。今後はリスキリングも視野に入れ、ソフトウェア関連の技術向上も期待。

まずは、ルネサス那珂工場様の事業内容を教えて下さい

高橋:

今回、日研トータルソーシング様に派遣スタッフの採用と研修を依頼した茨城県の那珂工場は、ルネサスの生産主力拠点の一つであり、半導体製造の前工程を担っています。

半導体製造の前工程とは、具体的にどのような作業ですか?

高橋:

前工程では、半導体集積回路の基盤“ウェーハ”の上に数億個のトランジスタを形成。数百回もの微細なプロセス加工を施して、高度な集積回路を形成しています。しかし、ウェーハといっても種類は様々。半導体の世代によって直径が異なります。

那珂工場では直径何mmのウェーハの半導体を取り扱っているのでしょうか

高橋:

那珂工場では2つの生産ラインを形成し、ウェーハの直径が異なる複数の半導体を製造しています。その中で、私は直径300mmのウェーハの半導体製造を担当している製造第二部を管轄しています。

日研トータルソーシングと取引が始まった際の背景を教えてください

高橋:

日研トータルソーシング様とは20年来の付き合いで、もともとはオペレーターの派遣を依頼していました。しかし、工場内の組織体制の見直しによって保全の組織を立ち上げることになり、戦力になる保全人員を確保するため約7年前から依頼領域の拡大検討をおこなってきました。

自社採用ではなく、なぜ派遣会社に依頼しようとお考えになったのでしょう

高橋:

我々も育成および採用活動を行っておりますが、なかなかスキル向上や定着が難しく、外部の人材会社様による協力が必要不可欠となっています。また、製造工場が多い茨城県・ひたちなか市という地域性を考慮して、人材採用・研修に長けた日研トータルソーシング様へ依頼する運びとなりました。

ありがとうございます。貴社では半導体製造においてオペレーターも活躍されていますが、配置換えなど自社で必要人員を確保するのは難しかったのでしょうか?

高橋:

最初は優秀なオペレーターを保全に移動していたのですが、スキル面で課題があり、人材を十分に確保できていませんでした。そこで、課題を解決するには一定のスキルを持った人材が必要と判断し、研修内容が保全業務に特化している日研トータルソーシング様に研修・派遣をお願いすることになりました。

即戦力となる、専門知識・スキルを培った人材が必要だったということですね

高橋:

そうですね。日研トータルソーシング様のテクノセンターでの研修を経た方々は、保全人員としてはもちろん、専門知識やスキルが身についているため新人を教育する立場としても活躍してくれています。そのため、慢性的な指導者側の人材不足もカバーできました。

続いて、今回のお取引を開始するにあたって、貴社が研修で求めていたことを教えてください

高橋:

研修で教えていただきたかったのは“機械要素”“電気系”“モラル・マナー”の3つ。日研トータルソーシング様ではこれら全てを研修で教えていただいてから配属していただけるので、ありがたかったです。

研修を終えた派遣スタッフが参画したことにより、どのような変化が生じましたか?

高橋:

半導体製造に関する専門用語やルールを研修で学べているため、一定の共通言語化ができており、コミュニケーションがスムーズになったと感じています。どの業界でも共通することですが、最低限の知識がないと指示を理解するのは難しいものです。しかし、日研トータルソーシング様から派遣された方々は必要な内容を把握した上で参加してくれているので、非常に助かっています。

採用した派遣スタッフに、現在どのような業務をお任せしているのでしょうか

高橋:

主に、定期メンテナンスや修理作業、データ整理・分析をお任せしています。ウェーハの機械やロボットの駆動部分の定期的なメンテナンス・清掃や、トラブル発生時の装置の修理作業は保全業務において欠かせません。
データ整理・分析においてメインで依頼しているのは、メンテナンスや整理の際に計測したデータによる稼働率の確認です。“機械が故障するまで何時間安定して稼働していたか”などをチェックして、次の定期メンテナンスに向けた参考にしています。

定期的なメンテナンスだけでなく、幅広い業務をお任せしているのですね

高橋:

はい。修理は専門的な知識が必要となるため一部の派遣スタッフの方にのみサポートしていただいておりますが、データ整理・分析は特定の方にお任せしているわけではなく、全体的にスキルを向上させるため複数人に1日数時間ずつ担当してもらっています。

保全業務に派遣スタッフを導入し、実際どのような効果を実感されましたか?

高橋:

導入後に感じた大きな効果は2つあります。
1つは、生産性の安定化です。現場でしか知り得ない細やかな情報を互いに共有しつつ、手分けして作業を行える環境になったため生産の安定に繋がりました。
もう1つは、装置復旧の短時間化です。装置の復旧が必要な際も、ある程度知識を持った派遣スタッフの方々が協力してくださるおかげで、弊社人員だけで行うより復旧にかかる時間を大幅に短縮できました。

確かに、1人で復旧にあたるよりも、複数人で取り掛かれた方が効率的ですよね

高橋:

はい。今までは自社社員1名で取り掛かっていたところを派遣の方がサポートしてくださっているので業務時間を短縮できましたし、時間を有効的に使って生産完了数の増加などに繋げられています。

配属前にはスキルの習得だけでなく、モラルやマナー研修も実施されていましたが、実際に派遣されたスタッフの印象はいかがでしたか?

高橋:

日研トータルソーシング様から派遣された方々は、非常に真面目で仕事熱心な印象です。モラル・マナー研修なども功を奏していると思いますし、仕事に対する意欲も感じられます。

どのような点に意欲的な姿勢を感じているか教えてください

高橋:

当社で行っている、メンテナンス作業が独り立ちできているかどうかを試す“公開メンテナンス”というテストでも実績を残していらっしゃいますし、「次はこういうことにチャレンジしたい」と仰ってくださるため、意欲的な姿勢を感じています。
また、2024年からスタートした新卒採用の派遣スタッフの方々も、非常に真面目で意欲的な印象です。

新卒採用の若手が入社してから、職場の雰囲気は変わりましたか?

高橋:

新卒の派遣スタッフの加入により、組織全体が活性化しているように感じます。挨拶もより活発になって製造現場の雰囲気も良くなっていますし、派遣スタッフが管理職へ積極的に質問するようになったのも大きな変化です。保全業務は仲間との連携が重要なので、スタッフ同士のコミュニケーションの活性化は非常に助かっています。

周囲の一緒に働くスタッフの方の反応なども教えてください

高橋:

若手同士は相互に会話をしながら高め合っていますし、もともと勤務している弊社メンバーも若い後輩たちに教える機会が増えて、自分自身の教え方やコミュニケーションのあり方を見直すいい機会になっています。

確かに、人に指導するようになると自分自身のことを振り返るようにもなりますよね

高橋:

新卒採用においては、ベテラン世代の活性化も期待していたので、非常に良い結果を出せたと感じています。

積極的に採用活動を進めている御社からみて、今後の半導体業界における人材ニーズはどうなっていくとお考えでしょうか?

高橋:

AI活用を中心に世界中でデジタル社会への移行が進んでいるため、今後も業界的に成長は継続していくと考えていますが、その反面、需要に対して人材の供給が追いつかなくなり人手不足は続くだろうと思っています。しかし、ただ人材を確保すればいいというわけではありません。今後の半導体業界においては、装置のことを理解している保全人員が必要になってくると思います。

若手の採用だけでなく、40~50代のキャリア層の採用にも積極的に望みたいと。

高橋:

はい。若手社員のご紹介もこれまで通りお願いしたいのですが、少子高齢化社会のいま、若手は頭数に限りがあります。そのため、中高年世代の派遣スタッフの活用も検討していきたいと思います。

リスキリングにおいて、日研トータルソーシングには具体的にどのような協力を期待されているのでしょうか

高橋:

例えば、一定の保全スキルを有する中高年の方々へ新たにソフトウェアの知識をレクチャーするなど、リスキリング教育も強化していただけたら幸いです。

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担当者からのコメント

笹川 太

笹川 太保全事業部 埼玉オフィス 主任

非常に長いお付き合いがある、ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング那珂工場様。
現場での教育体制が充実しており、スタッフの定着にご尽力いただいております。
スタッフ配属時の現場説明、丁寧な職場見学を実施し、配属時のミスマッチを減らせるよう取り組んでおります。

企業情報

社名 ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング
事業内容 茨城県ひたちなか市に本社を置く、ルネサスエレクトロニクスの生産子会社。主にルネサスエレクトロニクスの半導体生産における前工程の製造事業を担っている。現在は、国内に展開している5つの工場(那珂・川尻・西条・高崎・甲府)の運営を統括している。
URL https://www.renesas.com/ja

研修を行った施設

埼玉テクノセンター

埼玉テクノセンター

業界随⼀の研修施設と研修内容を誇る日研トータルソーシングのスキルアップ環境。現場での即戦力を養うため、実地に近い環境で技術研修を行っています。また、常に進化する市場に合わせて、最新の設備を取り揃えています。

企業情報

ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング

茨城県ひたちなか市に本社を置く、ルネサスエレクトロニクスの生産子会社。主にルネサスエレクトロニクスの半導体生産における前工程の製造事業を担っている。現在は、国内に展開している5つの工場(那珂・川尻・西条・高崎・甲府)の運営を統括している。

ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング様のサイトはこちら

担当者

高橋 雅人

オペレーショングループ
那珂工場 製造第二部 部長
兼 那珂スマートファクトリ推進室 室長

高橋 雅人 様

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