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人事・労務ナレッジ - 人材マネジメント

自動車業界が人材不足に悩む理由|アウトソース活用による適切な対応とは

自動車業界が人材不足に悩む理由|アウトソース活用による適切な対応とは

コネクティッド、電動化とまさに変革のときを迎えている自動車業界では、多様な人材が必要とされています。そんな中、日本は自動車大国と位置付けられているものの、足元ではエンジニアや整備士などの人材不足が深刻化しているのです。

基幹産業といわれる自動車産業は、なぜいま人材不足に陥っているのでしょうか? 自動車業界が人材不足に悩む理由、人材不足の対策を考えていきます。

この記事でわかること
  • 自動車製造に必要な技術は幅広く、技能人材が不足しやすい
  • 人材育成の土壌が整わないことや、労働人口の減少なども理由
  • 業務を分割し、人材の再配置や外注化を用いた対策が必要

目次

    自動車業界が人材不足に悩む理由

    開発領域が多様化する自動車業界では、高度な技術者が幅広く必要とされているものの、その一方で自動車業界は選ばれない業界になりつつある現実があります。また、人材不足によって育成もままならないという課題にも直面しています。

    開発領域の拡大と専門人材・エンジニアの不足

    自動車の分解図

    自動車業界では、開発領域の多様化や技術の高度化によって、幅広い技術分野が結集して開発が行われています。

    自動車開発のベースとなるのは機械工学の分野ですが、自動車に使用する材料開発は材料工学の分野の人材が必要です。また、コネクテッドカーや自動運転、電気自動車の開発には、IT人材が不可欠です。ADAS(先進運転支援システム)や自動運転にはAIの技術もすでに活用されています。

    さらに、自動車に使用される電気部品、センサーなどの制御ユニット、あるいはハイブリッド車や電気自動車の開発に関わる電気・電子分野の人材も欠かせません。

    しかし、自動車開発に関わる技能人材は不足しています。特に人手不足が顕著なのは、開発領域が広範におよぶ電気・電子分野のエンジニアです。電気自動車に用いられるリチウムイオン電池や全固体電池の開発に関わる化学分野の人材不足も課題となっています。

     

    技術者の育成の停滞

    自動車技術が高度化し開発領域が多様化している一方で、技術者を指導する人材の不足も顕著です。この「育成の停滞」も、人材不足の大きな理由に挙げられます。

    特に新卒採用では、1人前の技術者になるまでに少なくとも2~3年を要します。しかし現状の人材不足から、指導する立場の技術者は通常業務にあたりながら育成を並行しなければならず、育成に割ける時間リソースが不十分となってしまっているのです。

    こうした状況では、「人材が育たないことで人材不足を解消できない」という負のスパイラルに陥ってしまいます。

    深刻な整備業界の人材不足

    自動車を整備する作業員

    自動車業界で人材不足が深刻化しているのは、先端技術を取り扱う大手自動車メーカーだけではありません。ここ数年、自動車整備士も減少傾向が見られているのです。

    さらに自動車整備士を目指す若者が減少していることから、整備士の高齢化が進んでいます。特にディーラーの整備工場では人材不足が顕在化し、運営に支障をきたすところまで出ている状況です。

    ハイブリッド車・電気自動車に対応できる自動車整備士の育成が求められているなか、この整備業界に蔓延する人材不足は大きな問題となってきています。

    労働力人口の減少と「選ばれない」背景

    総務省統計局によるデータによると、2020年の15歳以上の就業者と完全失業者を合わせた労働力人口は6,868万人で、前年よりも18万人減少しました。女性や高齢者の就業によって一時的に労働力人口は充当されるものの、少子高齢化の進行によって再度減少に転じていくことが見込まれています。

    この労働力人口の減少により、業界をまたいでの人材の奪い合いの様相が見られています。かつては花形産業であった自動車業界が、「選ばれない」時代になってきているのです。

    その理由のひとつに挙げられるのが若者の車離れです。バブル以降の消費低迷によって、自動車メーカー各社が似たような「売れる車」をメインに供給するようになり、車は夢のある乗り物ではなく単なる移動手段として捉えられるようになりました。車に対する関心の低さから、自動車産業の存在感は相対的に低下しています。

    また日本国内だけを見て、自動車産業は今後の市場規模が縮小していくと考える人が少なくないことも、自動車産業が選ばれない理由に挙げられます。しかし、日本の自動車市場は少子高齢化や若者の車離れによって縮小が見込まれているものの、世界に目を向けると、実際には新興国や発展途上国では需要の増加が見込まれているのです。

    また、自動車産業に限ったことではありませんが、製造の現場では「3K」と呼ばれる「きつい」「汚い」「危険」という負のイメージを払拭できていないことも、選ばれない背景として無視できません。しかし、自動車工場ではオートメーション化が進み、従来よりも危険な作業や単純作業は減っています。この負のイメージからの脱却も、製造業に人材を集めるうえでの課題といえるでしょう。

     

    エンジニア不足にどのように対応するか?

    道具を持つ作業員

    自動車業界のエンジニア不足の解決策として、アウトソーシングできる分野を切り分けて自社人材の再配置を行う、開発業務の一部を業務委託するといった方法があります。

     

    人材の再配置

    自動車業界の人材不足を解消する方法のひとつに挙げられるのは、再配置による人材の有効活用です。

    生産技術や生産管理、営業などの業務に忙殺されているエンジニアは少なくありません。こうした人材を専門領域や適性を踏まえたうえで、自動運転など先端業務の開発部門に回して育成していくという方法が考えられます。

    代替となる人材の確保が必要にはなりますが、たとえば、生産管理や保全、フィールドエンジニアなどはアウトソースが可能です。アウトソースが可能な領域には積極的に外部人材を登用し、自社で行うべきコア業務にエンジニア人材を注力させるという方法が検討されるでしょう。

     

    業務委託の活用

    開発領域が多様化する自動車業界では、すべての工程を自社で開発していくことは難しくなっているのは事実です。そこで一部の開発業務を切り分けて、ノウハウを蓄積している企業に業務委託するという方法も選択肢となります。

    たとえば、自動運転におけるAIや機械学習などのIT技術分野はIT企業と連携、センサーなどの制御装置に関しては、大手サプライヤーと連携するといった方法があります。あるいは専門知識を有する技能人材を抱える受託企業に業務委託する方法も考えられます。

    まとめ

    労働力人口の減少によって人材不足が深刻化しているのは、自動車業界も例外ではありません。各業界が人材の確保を進める中、自動車業界では多様な領域にわたる高度人材を必要としています。そこで、新たな人材の採用・育成を進める一方で、アウトソーシングを活用して自社のエンジニアを再配置し、コア業務に有効活用していくことも有力な選択肢となるでしょう。

    当社では全国に研修施設であるテクノセンターを設置し、専門技術を有する人材育成に注力しています。製造現場の実務経験者のほか、基礎研修・実務研修を積んだスタッフの派遣を行い、保全やフィールドエンジニアなどアウトソーシングがしやすい領域から、人材不足の解決をサポートいたします。

    日研トータルソーシングでは、製造業の人材活用をトータルでサポートしています。充実した教育カリキュラムの導入によって、生産管理における高い専門スキルを持った人材育成にも力を入れており、派遣サービスや請負サービスの実績も豊富にございます。

    人材不足問題を解決するための弊社独自の取り組みを、サービス資料としてまとめておりますので、外部委託をご検討されている企業の皆様、ぜひ御覧ください。

    監修者プロフィール

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    監修:細原 敏之(ほそはら としゆき)

    高分子材料を利用した自動車電装部品の設計、製造、生産技術(設備設計、レイアウト検討)及び品質保証業務などを歴任し、トヨタ自動車関連のティア1サプライヤーであるデンソー、アイシン精機及び三菱電機株などを主要顧客とした業務の責任者を担当。その後、タイ・バンコックでの工場建設の代表取締役、発電所などの金属ガスケットやシール材などの開発・マーケティング担当を経て独立。工場の品質管理、生産管理及び労務管理の業務や、ISO審査員及び経営コンサルティング業務を開始し、現在に至る。

    この記事を書いた人

    Nikken→Tsunagu編集部

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