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職種別ノウハウ

注目が集まるスマートファクトリーとは?期待される効果や5つの事例

注目が集まるスマートファクトリーとは?期待される効果や5つの事例

スマートファクトリーは、生産管理システムを、IoTやAI技術を使ってデジタル化した工場のことです。少子高齢化よる人手不足や材料高騰などの問題が深刻化していく中、従来のものづくりの形を見直して生産体制をいかにスマート化できるかが鍵となります。

今回の記事ではスマートファクトリーのメリットやデメリットに加えて、具体的な事例も解説します。

スマートファクトリーの実現で叶う6つのこと

スマートファクトリーを実現させると、どのような導入効果が期待できるのでしょうか?以下より、スマートファクトリーによって得られるメリットを6つ紹介します。

品質の向上

工場のスマートファクトリー化が実現すると、IoTで従業員一人ひとりの作業データを収集し、「どのような条件が揃うとミスが起きやすいのか」をAIで解析できるようになります。

また、その業務に携わる全員で同じノウハウを共有できるため、品質が安定しやすくなるのもポイントです。業務が属人化するのを防ぎ、誰でも同レベルで高品質な商品を生産しやすくなります。

人だけでなく機械作業に関しても、同じ方法を応用でき、不具合による不良品の発生を低減できます。結果、不良品が顧客の元に届いてしまう可能性が軽減し、顧客の満足度向上につながります。

生産性の向上

作業工程のデータ化によって、業務の改善・効率化による生産性の向上が叶います。作業工程の監視によって得た膨大なデータを解析することで、工場の課題発見がしやすくなり、ボトルネックとなっている工程を洗い出しやすくなるためです。

たとえば、loTの技術によって製造コストに関するデータを可視化し、現状「何にいくらかかっているのか」を明確にできます。最低限に抑えられているつもりでも、消耗品費や光熱費など、今までは見えていなかった改善点を発見できるかもしれません。

スマートファクトリー化が実現すれば、アナログでは実現が難しい、工場内すべての「稼働状況最適化」の実現が可能です。

 

◆作業・生産工程の「トレーサビリティ」について詳しく知る

人材不足の解消

スマートファクトリーの実現は、人材不足問題の解決にも有効です。たとえば生産工程の改善に必要なデータ収集を自動化することで、少ない人員で業務を回せるようになります。その分、人の手でしか行えない工程のために人員確保ができます。

製造業では、少子高齢化の影響で後継者不足の問題が深刻です。

スマートファクトリーを実現すれば、熟練技術者の知見をデータ化したり、スマートロボットに学習させたりすることで技術を継承できます。後継者不足の問題解決に役立つのです。

競争力の向上

スマートファクトリーを実現すれば、今よりさらに顧客に寄り添った製品の開発やアフターサービスができます。

たとえば製品にIoTを組み込めば、その製品がどのような使われ方をして、どのような部分に改善の余地があるのかなどの情報収集がリアルタイムで可能です。

ユーザーのニーズに瞬時に反応し、製品の開発・改善へと役立てられます。

経営・事業戦略の最適化

スマートファクトリーを実現させると、AIで工場や顧客の動きを解析し、「どのような商品が求められているのか」ある程度的を絞って戦略を立てることが可能になります。随時新鮮なデータを収集でき、市場の需給がどのように変化していくか、未来が予測しやすいためです。

そのためアナログな体制に比べ、「どのような事業戦略を進めていくべきか」といった経営に関する判断スピードが格段に上がります。結果として「生産性の向上」、さらには「売上アップ」なども期待できるでしょう。

リスク管理

スマートファクトリーで蓄積したデータを活用することで、不良品を見逃してそのまま出荷してしまうリスクを減らせます。

「何かおかしい」という人間の感覚だけに頼ると、従業員のスキルによってシステムの不具合を見落としかねません。IoTやAIを導入すれば、トラブルが起こりそうな箇所を事前に察知してメンテナンスできます。

万が一不良品が混ざったとしても、顧客の手に渡る前に検知する技術も近年開発されています。

スマートファクトリーを実現するうえでの課題

スマートファクトリー化の実現はさまざまな成果が期待できますが、100%デジタル技術を取り入れるのは簡単ではありません。

まず、導入するかどうかの判断が非常に困難です。工場全体の仕組みを変えるとなると、すべての部署にとって今よりよい方向に改善できるよう総合的な判断が必要になります。

また、現場のスペシャリストやサプライチェーンに明るい人材など、さまざまな視点の意見をまとめなければいけません。製造から販売までの業務プロセスが大きく変化することに抵抗を持つ現場スタッフも少なからずいるため、スマートファクトリーへの理解を求めるためにも時間と手間がかかります。

さらに、IoTやAIなど最新のシステムを導入するには多額の費用が必要です。費用対効果を見極めて必要かどうかを判断しなければなりません。

導入後の運用がスムーズにできるかにも注意が必要です。事前に導入後の目標を立てておいたり、導入開始直後から従業員がうまく動けるよう、十分にシミュレーションや研修を実施したりなどの対策を講じなければ、期待していた効果を得られない可能性があります。

収集するデータについても、的確に分析し、目的に沿って活用できる知識を持った人材を育成しておかなければ無駄になってしまいます。ほかにも工場の貴重な資産であるデータのセキュリティ対策も重要です。

スマートファクトリーを導入する際には、一度にすべてを変えるのではなく、小さな規模からスタートし、効果を検証しながらステップアップさせていくのがポイントです。

スマートファクトリーを実現した具体的な事例5選

IoTやロボットを駆使してスマートファクトリーを実現し、成果を出している企業がすでにいくつも存在しています。以下より、先行事例を5つ取り上げて紹介します。

事例1 久野⾦属⼯業株式会社

業種:部品⽤⾦型加⼯
対象プロセス:生産
目的:品質の向上を目的にスマートファクトリー化に挑戦

久野⾦属⼯業株式会社様は、工作機械にIoTを導入。現場作業員がスマートフォンで加工状況をチェックしたり、加工終了時間をアナウンスしたりできる仕組みを構築しています。

工作機械の主軸にあるモーターの電流値を計測し、稼働実績や加工データと照らし合わせることでその都度加工条件の最適化も行っています。

人は開発や設計など考える仕事に特化し、製造部分は基本的に自動化することで業務の効率をアップ。15分かかっていた加工時間を、最終的には8分まで短縮することを目指しています。

事例2 株式会社フェニックスソリューション

業種:⾦属資材利⽤の製造業
対象プロセス:調達、⽣産、物流、販売・保守
目的:リソーセス削減を目的にスマートファクトリー化に挑戦
識別するための情報を書き込み、対象物に取り付けて管理できるRFIDタグ。これまで金属に取り付けると読み取りができず、普及が進んでいませんでした。

しかし、株式会社フェニックスソリューションで今回開発された商品は金属の背面からでも読み取りが可能です。RFIDリーダーライターで情報を読み取り、本体やパソコン上で管理できます。

瞬時に読み取れるため、作業時間が短縮し、大幅なコスト削減につながっています。人件費は、約6~8割減少しました。

事例3 TOTO滋賀⼯場

業種:成形・組み立て
対象プロセス:生産
目的:作業の効率化を目的にスマートファクトリー化に挑戦
TOTO滋賀⼯場には、3台のロボットが設置されています。

生産している衛生陶器に貼られたバーコードには品番のほか、各種ログ情報も合わせて475項目もの情報が記録。どのラインにどの商品が流れても、品番に応じて作業が実行されるようにプログラミングされています。

23年ぶりの大型投資で作られたこの工場には最新鋭の技術が詰め込まれており、世界の工場のモデルとなる最先端の製造現場です。

事例4 株式会社島根富⼠通

業種:ネットワーク製品製造
対象プロセス:生産
目的:生産ラインの設計・構築の短縮を目的にスマートファクトリー化に挑戦

株式会社島根富⼠通は、作業エリア内にある対象商品の位置を把握できるよう、約1m単位で位置情報を収集しています。生産情報もひも付けした状態で、リアルタイムに見える化する仕組みを導入しました。

製品設計のCADデータを生産現場で活用しているのも特徴的な取り組みの一つです。生産の手順を事前に検証して見られるので、実際の生産ラインを構築する前に人と機械をどう組み合わせて生産していくかの調整がしやすくなります。

人×データ×機械の合わせ技で、生産リードタイムがこれまでの5分の1に短縮できています。

事例5 株式会社アマダ

業種:金属加工
対象プロセス:受注・調達、生産、物流・販売
目的:多様なニーズへの対応力向上を目的にスマートファクトリー化に挑戦
株式会社アマダは、「お客様専用Webページ」を新たに開設しました。お客様は、パソコンやスマホからいつアクセスしても、見積や発注などの各種サービスを利用できるようになっています。

また、発注・納品・アフターサービスまでの全工程を一括管理。無人化の拡大を図ったことで人員を3分の1に削減しましたが、生産能力が1.5倍になったり、納期が50%短縮できたりと大きく成果が出ています。

そのほかの製造業におけるDXの取り組み事例は、下記記事もご参照ください。

 

参考:『「 スマートファクトリーロードマップ 」〜 第4次産業⾰命に対応したものづくりの実現に向けて 〜』(経済産業省)

期待大のスマートファクトリー!実現に向けてしっかり準備して進めよう

製造業において、工場のアナログな体制に課題を感じている場合は、IoTやAI技術を取り入れて「スマートファクトリー化」するのも一つの手です。スマートファクトリーが実現すれば、以下のような成果が期待できます。

  • 品質の向上
  • 生産性の向上
  • 人材不足の解消
  • 競争力の向上
  • 経営・事業戦略の最適化
  • リスク管理

ただ、導入に必要な費用や人材、時間のことを考えると簡単にすべてをデジタル化するのは難しいのが現状です。

あらゆる視点からの意見をふまえて少しずつ自社の課題解決に向けて、プロジェクトを進めていきましょう。

この記事を書いた人

Nikken→Tsunagu編集部

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